こんにちは、CEOの岡田です。
今日は会社経営をしていく上で必要不可欠な「経営理念」とそれに繋がる「ミッション・ビジョン・バリュー」の3つの要素について、その意味と重要性をお話しします。
※次回の記事は「経営理念とミッション・ビジョン・バリューの作り方」についてお話ししますので、ご興味のある方はこちらも。
amplit(アンプリット)はWEB制作会社からスタートし、現在はWEB制作の他、WEBマーケティングコンサルティングやECサイトの構築を行う会社として多くの企業のコーポレートサイトやサービスサイトの開発を行ってきました。
企業のコーポレートサイト(ホームページ)制作を担当させていただくと、その企業のサービスはもちろん、社風や文化、どのような想いで経営されているのか、などその会社について多くのことを理解する必要があります。
なので、クライアントのコーポレートサイト(ホームページ)を制作する時、私はいつも1番最初に「御社の経営理念はなんですか?」と尋ねます。
クライアント企業を理解するために1番重要なものが経営理念だと思うからです。
ところが、立ち上げたばかりの企業を担当することも多いので、経営理念がばっちり決まっているクライアントは体験的には半分程度かな、と思います。
そのような中で、やはり経営理念が決まっている会社と、そうでない会社ではその後の成長速度が異なるように感じています。
事実、経営理念と会社の利益には明らかな相関関係があるようです。
出典元『幻冬舎 GOLD ONLINE』企業の「経営理念」は業績にどのような影響を与えるか?
大事だとわかっていても、作るのが難しい経営理念。
偉そうなことを言っていても私自身、この経営理念を作るのにとても苦労しましたし、今でも100%満足したものは決められていません。
そんな中で同じ悩みを持つ方に経営理念と「ミッション、ビジョン、バリュー」という3つの考え方とその繋がりを説明し、その重要性をお伝えします。
少しでもあなたのお役に立てれば嬉しいです。
この記事は企業の経営層の方に読んでいただくことを想定していますが、あなたもこのような状況ではないでしょうか。
「経営理念があった方がいいとわかってはいるけど、忙しくてそんな時間が取れない」
「なんとなく大切にしたいことはあるけど、うまく言葉にできずにまとまらない」
「なんかカッコつけてるみたいで恥ずかしい」
全部、とってもわかります。
ですが、ここでこの記事を見ていただいたのも何かの縁。
少しだけ経営理念について一緒に考えてみましょう!
”会社経営の成否の 50%は経営理念の浸透度で決まり、30%は社員のやる気を引き出す仕組み作りで決まる。戦略戦術は残りのわずか20%である。”
松下幸之助
<目次>
1. 経営理念とは
(1)経営理念とは
(2)他社の経営理念
2. ミッション、ビジョン、バリュー、それぞれの意味とは
(1)ミッションとは
(2)ビジョンとは
(3)バリューとは
(4)優れたMV2の条件
3. まとめ
Contents
1. 経営理念とは
(1)経営理念の意味
経営理念:組織の存在意義や使命を、普遍的な形で現した基本的価値観の表明
少しわかりにくいので、もっと簡単に言えば
「この会社は何のために存在するのか」
「世の中に対して何を成し遂げたいのか」
「経営をしていく上で譲れない考え方は何か」
といった内容をまとめたものになります。
(2)他社の経営理念
まだ少しピンとこないので、ここで有名企業の経営理念を見てみましょう。
パナソニックの経営理念
事業を通じて世界中の皆様の『くらし』の向上と社会の発展に貢献する
引用:経営理念・事業展開 – 経営の考え方 – 企業情報 – Panasonic
KIRINグループの事業理念
「飲みもの」を進化させることで、「みんなの日常」をあたらしくしていく。
クックパッド株式会社
料理を楽しみにすること
当然と言えば当然ですが、経営理念一つとっても企業によって全くその捉え方が違うように見えます。
つまり、正解はないので自分の考えや価値観、哲学を正直に表すことも鍵になりそうです。
ぜひこちらの記事も参考になさってください。
企業によって全然違うことがよくわかります。
110社の経営理念が紹介されています。
2. ミッション、ビジョン、バリュー、それぞれの意味とは
経営理念を考えていく上で、役立つのがミッション、ビジョン、バリューの3つ考え方です。
この考え方は経営学者として知られるピーター・F・ドラッカーが提唱した「企業の経営方針」の中で登場するものです。
経営理念を考える上で切っても切れないこの3つも一緒に考えていきましょう。
では、これらを勝手にMV2と名付けて以下で説明していきます!
(1)ミッションとは
ミッションとは、果たすべき使命、存在意義、自社が存在する目的のことを言います。
言い換えれば、ミッションとは、「この会社は何のために存在するのか」という質問への答えです。
「稼ぐため、お金持ちになるためだよ」という声も聞こえてきそうですが、それは創業者の目的であって、それでは組織にする必要はありません。
組織にする以上、多くの人の力を借りて、何を変えていきたいのかという共有できる使命が必要になります。
たとえば「事業を通じて、世の中を〇〇に変えていきたい」「〇〇といった価値観を広げていきたい」「社会の××の課題を解決したい」というようなものがこれにあたります。
(2)ビジョンとは
ビジョンとは、将来のありたい姿、目指す理想の姿のことを言います。
言い換えれば、ビジョンとは「事業活動を通じて、どうなりたいか」という質問への答えです。
将来、どのような企業でありたいか、どのような姿になりたいかを示すことで、未来を具体的にイメージさせて企業のメンバーを一つの方向に向かせることができます。
ミッションが「普遍性のある使命」という観点がある一方で、このビジョンは世の中の流れや経営状態、企業の成長によって中長期的に変化するというのが特徴です。
たとえば「業界NO.1になる」といったポジショニングや「従業員満足度100%」といった組織のあり方をビジョンに掲げてもOKです。
企業のメンバー全員で目指す、山の頂上の目的地のようなもので、具体的であればあるほど、一致団結して進むことができます。
(3)バリューとは
バリューとは、組織共通の価値基準、価値観のことを言います。
多種多様なメンバーが集まる企業において、組織共通の価値基準があることで1つ1つの行動の判断基準として統一的な対応ができるようになります。
ミッション、ビジョンが抽象度が高い一方で、このバリューは組織のメンバーが行動にすぐに落とし込めるように具体的なものになった方が良いです。
ここではヤフー株式会社のバリューを例にとって見てみましょう。
【ヤフー株式会社のバリュー】
・All Yahoo! JAPAN
・個のチカラ
・発見・提案・改善
・圧倒的当事者意識
・やりぬく
(4)優れたMV2の条件
共感しやすいことと体現しやすいことが優れたミッション・ビジョン・バリューの条件です。
まず、共感はメンバーをはじめ、顧客やステークホルダーからの信頼を生みます。社会からの賛同を得ることは、ミッションとビジョンの実現に近づく大きな鍵になります。
そして、体現しやすいことがバリューを達成する鍵になります。経営層だけでなく全ての従業員に理解し行動してもらうためには、共感とともに体現しやすいことが大切です。
価値観が揃わなければ、組織の判断がバラバラになり、顧客から信用を得ることが難しくなるだけでなく、組織自体が空中分解してしまうことになります。
3. まとめ
さて、いかがだったでしょうか。
経営理念で骨格を作り、ミッション・ビジョン・バリューで肉付けをしていくことで会社という組織が一つの人格を持って有機的に動き出していくことができます。
とはいえ、冒頭でお話しした通り、これらの策定には非常に大きな労力と時間を使う必要があります。
そのような中でなかなか納得のいくものができずに、考えてみては寝かせてを繰り返して、なかなか社内外に公表ができない方も多いと思います。
ですので、特に会社の初期段階では、完璧なものを目指さずに組織の拡大に伴って表明していく一つの「合言葉」のように考えてみてはいかがでしょうか。
今や歴史のある大企業も、すべてがはじめから現在の経営理念を掲げていたわけではありません。
経営理念をはじめ、ミッション・ビジョン・バリューもまずは周囲に発信することが何よりも大切です。
そこから都度、タイミングでブラッシュアップをしていきましょう。
amplitはWEB制作をはじめ、WEBマーケティングコンサルティングやECサイトの構築のお手伝いをしております。
コーポレートサイトの制作時には、このような経営理念の明文化のお手伝いも行っておりますのでお気軽にお問い合わせください。
次回:【簡単5ステップ】経営理念とMV2の作り方